2013/1/24(木) 神奈川県社会福祉会館 2 階ホールで今年度 2 回目の研修会が開催されました。
知的障害者の方は様々な要因から食生活が乱れがちで、さらに適度な運動量を確保するのが難しい傾向にあります。日常生活の中で、明るく健康な生活を送るための、無理なく意識的に取り組める健康・栄養管理について、身近に感じていただける健康づくりの視点から”健康”に関する講演を柴田則子氏に、肥満を予防・改善するための食事のポイントを具体的な献立例を紹介しながら”栄養管理”について石田啓子氏にお話して頂きました。
主な項目
1.健康寿命
・健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間(身体的な健康、精神的な健康、社会的な健康)
・平均寿命と健康寿命では、男性で 9.13 年、女性で12.68 年程度の差がある(平成 22 年)
2.知的障害をもつ人達の健康問題のひとつに
・『一部地域では高度肥満や肝障害などの生活習慣病をもつ人が非常に高率である』
・在宅知的障害児(者)の数は増加傾向にあり特に 65 歳以上の高齢者の増加率が高い
3.生活習慣病と生活習慣
生活習慣病には、生活習慣・遺伝的要因・外部環境要因が関係し、また、個人の生活習慣には、「地域の習慣」「家族の習慣」「個人の価値観・病気・障害等」が関係する
4.知的障害者の健康課題
高齢化による健康課題、障害特性と生活習慣の課題、適性体重の維持(肥満等)(摂取量(in)と消費量(out)
のアンバランス、間食の習慣)、定期検診の受診(早期発見と早期治療)
※成人知的障害者の肥満:成人知的障害者の場合、BMI(肥満指数)が一般成人に比べ高い(2/3 以上が肥
満)。食事習慣では甘い飲物を好み(70%以上)、間食習慣がある(約 69%)傾向にある。しかし、身体活動レベルでみると、仕事などの義務的活動以外では活動度が低い生活をしている。
5.適正体重と肥満
・肥満とは身体の中の脂肪が多い状況のこと。体格指数(BMI)で判定する ⇒ BMI=体重(㎏)÷身長(m)²
・BMI 値は、18.5 未満で「やせ」、18.5~25 で「標準」、25 以上で「肥満」と判定される
6.食事と運動と休養
※摂取カロリー(食事)と消費カロリー(運動)のバランスが大切。さらに、睡眠不足や疲れにより「ストレス」がかかると心や体に影響し食欲の増加(満腹シグナル↓空腹シグナル↑)や血圧の上昇、身体疲労が続く。又うつ病・不眠などの睡眠障害を引き起こす。逆に充分な睡眠でよい目覚めであれば疲労回復・ストレス減少、日中活動が活発になり生活リズムが安定する。
7.家族みんなで健康づくり
・家族一緒に健康寿命を伸ばす
・みんなで楽しく取り組む
・生活習慣として定着する取り組みが大切
・定期的な健診と早期発見・早期治療を心がける
・できることから 無理をしないで
・簡単な運動「ウォーキング」を大切に
8.肥満を予防・改善するための食事のポイント
(当日資料より一部抜粋)