2012/7/30(月) 神奈川県社会福祉会館 2 階ホールで今年度 1 回目の研修会が開催されました。
「誰よりも権利を擁護する立場にある支援者が何故権利侵害に走るのか、権利侵害や虐待とされる不適切なかかわりとは何か・・・」障害者虐待防止法施行に伴い、福祉施設等における権利擁護に係る具体的な事例をふまえて、支援者が防止・解決する為に何を意識すべきか、そのヒントをお話しして頂きました。10 月から施行される「障害者虐待防止法」を前に家族・施設職員の方々等たくさんの参加がありました。
主な項目
1. 障害者虐待防止法
障害者の擁護者に対する支援等に関する法律の成立
虐待の定義とは/最近発生した施設内虐待
2. 不適切な関わり(虐待)をなくすためには、
⑴ 不適切な関わり(虐待)とはなにかを知る
⑵ 適切な関わりとはなにかを知る
3. なぜ支援者が虐待に走るのか~その心理過程~
⑴ 志向的自律型虐待
利用者にとって、良いこと、利益になると支援者が判断した言動が結果として虐待であるもの。
その背景ににある、パターナリズム(父権的保護主義)。
⑵ 志向的他律型虐待
虐待者の志向的虐待が、社会的勢力(いじめ、いやがらせ、地位の剥奪など)によって他の個人に影響を与え、影響を受けた者が自分の意志に反して虐待にいたるもの(服従)。
⑶ 無志向的自律型虐待
利用者を無価値な排除の対象と認知し、非人間化した結果虐待に至るものや、生理的嫌悪による場合。
八つ当たりのように攻撃性が利用者に向けられた場合(置き換え)、挑発や転移に巻き込まれた場合(逆転移)など。外部刺激への突発的反応(キレる:アンガータック)。快感ををもたらす虐待。
⑷ 無志向的他律型虐待
虐待者の無志向的虐待が社会的勢力(いじめ、嫌がらせ、地位の剥奪など)によって他の個人に影響を与え、影響を受けた者が自分の意思に反して虐待に至るもの。
4. 防止・解決のために今すぐできること
⑴ 虐待行為の意識化/無意識の言動をチェックする
⑵ 適切な関わりを学ぶ/実践するために→事例検討会
⑶ 自らの権力性を意識する
⑷ 通告制度の活用/内部通告、外部通告
(当日資料より一部抜粋)